施術内容
顎(あご)の骨を垂直骨切りし、その骨片切除により下顎全体が細くなり、小顔効果がはっきりと現れる手術です。単独あるいは水平骨切り術と同時に行ない、骨切除による顎幅の減少・左右非対称、長さの短縮を行います。顎のラインをV字型に形成する手術として希望される方が多く、韓国においては輪郭形成術の中でもVライン形成術として人気を博しています。
お勧めの方
・顎(あご)のラインをV字型にしたい方
・顎(あご)の幅を細くしたい方
・顎(あご)が左右非対称の方
・下顎全体を細くして小顔にしたい方
・顎(あご)の骨切り後の丸みをシャープにしたい方
オトガイ(顎)V-line形成術
はじめに基本的な医学用語のお話ですが、顎(あご)本来上顎、下顎という分類があるように、口元を中心に上下左右に広い範囲を指します。一般的に皆様が思われている顎(あご)は、口元の下方で顔の中心である下顎骨の中央部分を指すのだと思いますが、その部位は医学用語では、オトガイ(頤、おとがい)と表現されます。
オトガイの横幅(下端の平坦な部分)は、左右鼻翼間幅径から左右光彩内側縁間幅径の間であることが望ましいとされます。女性では平均35mm程度で、それ以上では顎としてはやや太く、大きく感じられます。
オトガイに関しては長い、短い、突出、後退などはよく論議されるのですが、横幅(広い、狭い=太い、細い)に関しては、論じられることは多くありません。
しかし、顔面輪郭手術を専門とするリッツ美容外科では長さ、突出度と同様に顎の横幅を大切な要素と考え、手術術式を検討すべきと考えています。女性らしいほっそりとした顎、ときに逆三角形の顎は魅力的な輪郭になるために重要なポイントとなるからです。
オトガイの横幅を細くするには2つの方法が考えられます。
1)オトガイ垂直骨切り術
2)オトガイ下端(結節部)斜骨切り術
術式の適応は、顎の長さ、顎の突出度、オトガイ神経の位置を総合的に判断して決定します。
顎がかなり長い場合には垂直骨切り術、顎が突出している場合には斜骨切り術、オトガイ神経が下方に位置している場合には斜骨切り術、など相対的な評価で術式を決定しています。もちろんこれらの顎の特徴は組み合わされているわけで、その場合には術式の選択は経験を積んだ医師の判断に委ねられることになります。
オトガイ垂直骨切り術
これは2009年に韓国のドクターから発表された方法です。水平骨切りの中抜き法を、縦方向、すなわち垂直方向にしたものであり、オトガイの横幅を減じる手術です。韓国の女性は顎のVライン形成と言っているようです。通常8~12mm程度の幅寄せを行います。しかし、骨切り後に両端に段差が生じるため、その段差を均さなければならず、神経の位置と相談しながら適応を決定する必要があります。
また骨切り後に両端の骨片を中央に寄せる際に、オトガイ筋群がたわんで突出する形となるため、結果としてオトガイは、術後にはやや前方に出ることになり、オトガイが後退している方には良い結果となります。
手術は口の中から行います。粘膜を剥離して下顎骨オトガイ部を露出して、予定骨切り幅を骨上にデザインします。サジタルソーを用いて、垂直方向に2本、水平方向に1本、骨切りを行います。中抜き骨片を摘出後に左右の骨片を中央に寄せて、チタンプレートで固定します。さらに下顎骨と同様にプレート固定を行った後、両端の段差をノミで削って均すことになります。
また時に、オトガイを短く、そして細く希望される患者様もおられます。その場合には、水平・垂直骨切りを同時に施行します。2個の中抜き骨片を摘出すると、両端の段差は一層顕著で、症例によっては、下顎角まで連続して段差処理を行う必要が生じます。
オトガイ垂直骨切り術の手術方法
手術は全身麻酔で、約1時間で終了します。
①はじめに垂直方向の骨切りを行います。オトガイ幅の減少は、通常8~16mm程度行います。サジタルソーを用いて全層に縦方向に2本骨切りを行います。
②次に中央骨片を切除するために、水平方向の骨切りを行います。骨切り線の上限はオトガイ神経孔の6mm下方とします。
③水平骨切り後、中央の骨片を切除します。
④左右の骨片を2穴チタンプレートで固定します。
⑤両端の段差をオステオトームを用いて丁寧に時間をかけて、なめらかにならします。
⑥最後に上下の骨片を2ヶ所チタンプレートで固定します。
オトガイ結節部 斜骨切り術
オトガイ部の下端で、オトガイ結節を斜めに骨切りをすることによって、オトガイ横幅を減少させ、細い顎を形成します。下顎骨の形態によって水平長は異なり、ときに下顎角(エラ)付近まで延びることもあります。
はじめにオトガイの中心線をマーキングします。中央から左右に7mmほど外側の点が、骨切りの内側のスタート点となります。ここから外側に向かって斜め上方に骨切りを行っていきますが、問題となるのはオトガイ神経孔、下歯槽神経の走行になります。安全を見込んでオトガイ孔下方では孔から8mmは離すのが無難です。このあたりはセファロ、パントモが大変役立ちます。下顎骨下縁の形状にもより生ますが、時に下顎角付近まで骨切りが必要になることもあります。
もし同時に短縮手術を行う場合には先端を削る場合には5mmほどの短縮が限界です。それ以上短くしたい場合には水平骨切りを同時に行うことになります。
本術式は、先に述べた垂直骨切りより利点が多くあります。手術後の腫れは少なく、手術後の口唇周囲の麻痺感も少ない、など侵襲の少ない手術といえます。
POINT
垂直骨切り術は、顎(あご)を細くするだけではなく、顎(あご)の幅の減少・左右非対称、長さの短縮もできる施術です。
顎(あご)の骨を垂直骨切りし、その骨片切除により顎(あご)の形態を整える施術です。単独あるいは水平骨切り術と同時に行ないます。
個人差はありますが、顎(あご)の幅を8ミリ~15ミリ細くすることを可能とする施術です。
輪郭形成術の中でもVライン形成術として希望をする方が増えている施術です。下顎全体が細くなり、小顔効果がはっきりと現れる施術です。
顎先を細くするには、非常に難しく高度な技術を要しますので、行なっているクリニックがほとんど無いのが現状です。
V-line形成(垂直骨切りなど)の特徴
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施術時間
約120分
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麻酔
全身麻酔
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腫れ具合
★★★☆☆
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ダウンタイム
約1~2週間
抜糸 10~14日目
(吸収糸を使用するが、基本的に抜糸を行う)
術後1~2週間位までの食事は、熱いもの、堅いもの、辛いものなどの刺激物は避ける。
同時に行うことが多い施術
料金表
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V-line形成(垂直骨切りなど)
垂直骨切り:1,100,000円~ ※2019年10月からの税込料金です。