額フェイスリフト 施術内容
額・眉間、鼻根、目尻のシワ(カラスの足跡)を、内視鏡という微小カメラを用いて一気に引き上げます。頭髪内の小切開からアプローチしますので、傷が目立ちません。アメリカでは一般的なこの方法が日本で普及しないのは、その技術習得の難しさにあります。当院ではアメリカの第1人者から直接指導を受け、いち早くこの方法を取り入れました。術後の回復も早く、額のみならず目もとの引き上げ効果もある手術です。
お勧めの方
・10歳位若がえりたい方
・額のしわやたるみを引き上げたい方
・上まぶたのたるみを取りたい方
・額だけではなく目尻、上まぶた、眉間のしわも取りたい方
・傷の目立たない方法で額のたるみを引き上げたい方
額の横ジワ、眉間の縦ジワ、目尻のしわ、眉毛の下垂を伴った上眼瞼(目)のたるみを一気に改善することが可能です。
近年、外科(消化器外科等)の分野においては内視鏡という微小カメラを用いた手術が盛んに行なわれています。傷跡が小さく、正常組織を傷つけることなく病巣にたどりつくことができるので、より身体への侵襲が少ない為で、日帰りの手術もその割合が非常に高くなってきています。
最先端技術として早期より当院においても内視鏡を導入し、しわ取り手術、輪郭改善手術、豊胸手術などに応用しています。
この手術は内視鏡専門トレーニングを積んだ医師のみによって行なわれる難易度の高い手術です。欧米では一般的に行なわれている手術ですが、国内でこの設備、技術を揃えているクリニックはほとんどありません。
前頭部除皺術
前頭部除皺術に関しては1991年Kellerによる内視鏡下除皺術の発表以降、その手術侵襲の小ささから、欧米では冠状切開法にとって代わり加速度的に普及してきています。
わが国においては、(1)額のしわは前髪で隠すことができる、(2)内視鏡手術手技が欧米ほど普及していない、(3)額、眉間のしわの治療が手軽にボツリヌス菌毒素注射により行なわれるようになった、などの理由から頬・頚部除皺術と比べて患者さまの要望も少なく、軽視されがちです。
しかし実際には、この手術は額のしわのみならず、眉間・鼻根部のしわ、さらには上眼瞼のたるみから目尻のしわにまでその効果がおよぶことにより、美的効果としては頬・頚部除皺術を凌ぐことすらあります。
前頭部のしわの要因は、動的および静的な状態で捉える診断が重要となります。
I. 解剖
筋肉
術式を選択する際に“眉毛位置”というのが重要なポイントの一つとなりますが、その眉毛の挙上(前頭筋)、下制(皺眉筋、鼻根筋、眉毛下制筋、眼輪筋など)に関わる筋肉を理解することが診断、治療の第一歩となります。
II. 診断
顔面上部の老化症状の一つとして、前頭筋の緊張が低下することにより額の皮膚は弛緩し、その結果として眉毛下垂、上眼瞼のたるみを引き起こします。
これに対し代償性に額にしわを寄せる(すなわち前頭筋を緊張させる)ことにより眉毛を挙上し、視野を確保しようとします。額のしわを診断する際には、静的状態(前頭筋が弛緩している状態)のみを捉えるのではなく、上眼瞼のたるみ、眼瞼下垂などの視野を妨げる要因に対する代償的な前頭筋緊張時、すなわち動的状態をも捉えることが重要となります。実際の患者さまの診察の際には、開瞼時、閉瞼時でのしわの状態を観察し、その要因を把握したうえで治療法をご提案いたします。
1. 開瞼時のみならず閉瞼時にもしわが顕著になる場合
前頭部除皺術が適応となります。この場合には前頭筋切除が効果的であるため、本来は冠状切開法が第1選択になりますが、その手術侵襲の大きさゆえ、帽状腱膜下剥離による内視鏡下除皺術をもう一つの選択肢としています。
2. 閉瞼時のみにしわが顕著になる場合
上眼瞼の状態を評価したうえで術式を選択することになります。観察すべき点として、眉毛下垂、上眼瞼のたるみ、重瞼、眼瞼下垂の状態など前頭筋の緊張を引き起こす要因を分析したうえで適切な治療法をご提案いたします。たとえば、一重瞼である場合には、重瞼術のみで視野が確保され、前頭筋の緊張が取り除かれることがあります。また、眼瞼下垂がある場合にはこちらの治療が優先となります。但し、眼瞼下垂を治療することにより額のしわは減少しますが、代償機能が働かなくなり眉毛が下垂し、その結果上眼瞼皮膚が余剰となることもあります。そのため眼瞼下垂手術を行う際には、術後の上眼瞼の厚ぼったさ、重瞼幅の狭小などの可能性について検討し、皮膚の切除幅を含めた適切な手術デザインが重要となります。また、眉毛の下垂が強く、上眼瞼のたるみを主訴とする場合には、内視鏡下除皺術が良い適応となります。額のしわに関しては、決して額だけを観察するのではなく、眉毛位置、上眼瞼の状態を含めて一つのユニットとして捉える必要があり、これらを総合的に判断して治療方針を決定します。
III. 前頭部除皺術
1. 術式の分類
前頭部除皺術として一般的に3.つの方法が行なわれています。
(1)内視鏡下除皺術
(2)冠状切開法
(3)生え際切開法
一般には内視鏡下除皺術は、冠状切開法(open method)と同様の手技を、小さな切開から内視鏡下で行なっていると誤解されているようです。しかし、実際にはこの2つの術式は概念的に異なっていることを理解する必要があります。
大きな違いの一つは前頭筋の処理の差です。内視鏡下手術では前頭筋には手を加えず、冠状切開法では前頭筋切除等を行い筋力を低下させます。すなわち、冠状切開法は眉毛挙上筋である前頭筋の過緊張によりできる額のしわを、筋切除により減弱させることになります。その後、切開部位で余剰頭皮を数cm幅切除して、リフティング効果を出します。同時に下制筋切除を行うこともあります。
一方、内視鏡除皺術の主たる概念は、下垂した表情筋を顔面骨から剥離・挙上し、repositioningすることにあります。挙上筋である前頭筋には手を加えず、拮抗筋である皺眉筋、鼻根筋、眼輪筋などの下制筋群を切除または切離して拮抗力を減弱させ、眉毛挙上位で固定します。その際、下制筋を切除するだけでも眉毛位置が2mm挙上するとの報告があります。それぞれの手術法の概念をしっかりと把握して、適応の違いを認識することが重要です。
2. 内視鏡下除皺術と冠状切開除皺術との比較
1) 内視鏡下除皺術(endoscopic forehead lift)
利点としては、傷跡が目立たず、脱毛も少なく、頭皮知覚異常がほとんどありません。眉毛下垂に対しては長期的効果が認められ、頭髪生え際があまり後退せず、術式も回復が早いため禿髪の患者さまにも応用できます。
2) 冠状切開除皺術(open forehead lift)
利点としては、額の深いしわを改善できることで、手術手技が内視鏡手術より簡単で、特殊な器械を必要としないうえに、下制筋切除は直視下に行うためより正確です。欠点としては傷が長く、瘢痕が目立つことです。また、頭髪生え際が顕著に後退しますので、額の広い方には不向きです。
3. 術式の選択
内視鏡下除皺術は頭髪内の4~5ヵ所の小切開(約1cm)からすべての手術操作が行なえ、侵襲が小さく、合併症も少ないため、欧米を中心に冠状切開などの従来法にとって代わってきています。また、眉間の縦皺、鼻根の横皺に関しては内視鏡下に皺眉筋、鼻根筋を切除することにより改善可能です。
IV.内視鏡下前頭部除皺術
1.内視鏡下除皺術における論点
剥離層、固定法に関しては数多くの報告があります。
剥離層は骨膜下(subperiosteal approach)と帽状腱膜下(subgaleal approach)の2つが考えられます。通常は骨膜下剥離を選択します。手技的に容易で、出血も少なく、固定の際には皮弁側に骨膜が残っており、糸を掛ける際に強固な固定が得られるからです。さらにKnizeは眼窩上神経外側深枝が帽状腱膜直下を走行しており、この枝を損傷すると側頭頭頂部に頑固な知覚異常(掻痒感)をもたらすと報告しており、帽状腱膜下の剥離には注意を要することも、もう一つの理由です。
ただし、額の横皺が主訴で眉毛下垂がなく、眉毛挙上位で固定されるとかえって表情のバランスを崩す症例においては、あえて帽状腱膜下剥離を選択することもあります。帽状腱膜下剥離法による術後の眉毛挙上効果は一時的で早期に後戻りを起こすことを逆利用しています。
2)固定法
固定法に関しても諸家よりさまざまな報告が見られます。動物実験では、骨膜下剥離後、前頭部の皮膚がrepositioningした位置で頭蓋骨と強固な固定が得られるまでには3ヶ月を要するとの報告があります。したがって、最低でもこの3ヶ月間は挙上位での固定を維持する必要があります。当院では4mm チタンスクリューを使用しています。
2.実際の手術手技
内視鏡手術の際には、モニター、CCDカメラ、光源、直径4mm30°斜視の間接鏡などのシステムと各種剥離子、把持鉗子などの専用器具が必要となります。
麻酔法は(1)全身麻酔、(2)眼窩上神経ブロックと静脈麻酔の併用、どちらかで行なっています。
内視鏡下除皺術は、手技的に(1)切開、(2)剥離、(3)骨膜切離・下制筋切除、(4)固定の4つの段階に分けで説明します。
1)切開
切開部位は前頭部生え際1cm後方で正中、両外眥部上方の3ヵ所と側頭部生え際2cm後方で左右2ヵ所の計5ヵ所とします。切開創は縦方向とし、その長さは1cmとします。
2)剥離
5ヵ所の切開部を側頭深筋膜上、前頭部骨膜下で連結させた後、前頭部では眼窩上縁2cmまでは盲目的に骨膜下剥離を行ないます。その後は内視鏡を挿入し、眼窩上神経に注意しながら眼窩上縁まで丁寧に剥離をすすめます。側頭部下方の剥離は頬骨側頭神経が側頭筋膜を貫いているのが確認できるところで終えます。最後に、切開創より後方も頭頂部に向かって5cmほどの剥離を行い剥離操作はすべて終了します。
3)骨膜切離・下制筋切除
内視鏡下除皺術では最も重要な段階です。まず、眼窩上縁で眼窩上神経を損傷しないよう注意しながらarcus marginalisに沿って骨膜を切離します。外側部では前頭-頬骨縫合部における骨膜をしっかり切離し、さらに下制筋の一つである眼輪筋をもしっかり切離します。眉毛内側に比べて外側は上がりにくいため、十分な可動性を確認し、さらに挙上後の眉毛形態にも注意を要します。内側中央部においては骨膜切離後に下制筋である皺眉筋、鼻根筋を露出し鉗子を用いて筋切除を行います。
4)固定
当院では主に4mmチタン製マイクロスクリューを用いています。症例に応じて前頭部切開創2~3ヵ所において、切開創直下の骨膜とスクリューを3-0ナイロン糸で縫合固定します。なお、頭皮引き上げ移動量ですが、通常両外眥部上方の切開部位で15~20mmを目安に引き上げ固定を行なっています。
POINT
額フェイスリフトは、額の横じわ、眉間の縦じわ、眉毛の下垂を伴った上眼瞼(目)のたるみ、目尻の下垂を改善させる施術です。
頭髪内を約1センチ小切開するだけですので、皮膚側に傷がつかず、身体への負担が少ない施術です。
この施術は内視鏡のトレーニングを積んだ医師のみによって行なわれる難易度の高い施術です。欧米では一般的に行なわれている手術ですが、国内でこの設備、技術を備えているクリニックはほとんどありません。
内視鏡リフトの第一人者であるDr.Ramirezより直接指導を受けるという機会に恵まれました。
日帰りが可能で、おおがかりな包帯などの固定がありません。
額フェイスリフトの特徴
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施術時間
約90分
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麻酔
全身麻酔
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腫れ具合
★★★☆☆
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ダウンタイム
1~2週間
抜鉤 10~14日目
洗髪は3日目からぬるま湯で流す事可
5日目からはシャンプー可
同時に行うことが多い施術
よくある質問と答え
- 内視鏡とは何ですか?
- 額のしわ・たるみを取る手術は?
- 頑固な眉間の縦じわや鼻根の横じわもとれますか?
- 他院で、額のしわ取りは大きな傷ができると言われました。内視鏡の傷は?
- 包帯を巻いて帰るのですか?
- 他院では、フェイスリフトは入院が必要だと言われました。そちらはどうですか?
- 内視鏡下前額リフトと、従来法の違いは?
- たるみを引き上げた後何かで固定しますか?
- 内視鏡下前額リフトを行っているクリニックがほとんどないのはなぜですか?
- 腫れについて教えてください。
- 内視鏡(end-scope)は、外科分野において盛んに使われている微小カメラです。約1センチの切開部から内視鏡や手術に使う器械を挿入し、内視鏡の画像を見ながら手術を行います。患部を大きく切る方法は、傷が大きく術後の痛みも強かったのですが、この短所を改善したのが「内視鏡」による手術です。
- 額のしわ・たるみを取るフェイスリフトには、さまざまな術式があります。当院が行っている内視鏡下前額リフトは、頭髪内の小切開から微小カメラを挿入して行いますので、傷が目立たず負担が少ない手術です。額のみならず、上まぶたや目尻のたるみなど顔の上1/3を一気に若がえらせることができる手術です。
- 頑固な眉間のしわは、内視鏡下前額リフトで改善できます。頭髪内の小切開から内視鏡や手術器具を挿入し、眉間のしわの原因である皺眉筋や鼻根の横じわの原因である鼻根筋を処理して改善します。
- 内視鏡や手術器具を挿入する切開部は、頭髪の生え際から1センチ後方で、縦に1センチ4~5カ所です。頭髪内ですから、傷は目立ちませんし、脱毛の心配もありません。
- 包帯を巻くことはありません。ご自宅では、腫れを早期に軽減するためにフェイスバンデージというマスクで圧迫して下さい。
- 内視鏡下前額リフトは、日帰り全身麻酔で行っております。最近は麻酔技術の進歩や効果の良い麻酔薬(覚めが良くて副作用が少ない)が開発されているため、全身麻酔でも手術当日に帰宅可能となりました。また、当院では麻酔法に限らず全身管理が必要と判断される場合には、麻酔の専門医が必ず立会いますのでご安心ください。
- 従来法では、30センチ以上の大きな傷跡(脱毛)を残す手術でしたが、内視鏡リフトは頭髪内に約1センチの切開を4~5ヶ所行ないます。この小さな穴から内視鏡を挿入し、剥離、筋肉の処理を行ないその後に額から上まぶた吊り上げ固定を行ないます。身体への負担が少なく傷が目立たず、顔の上1/3の美的効果が可能です。
- 前頭部の皮膚が、引き上げた位置で頭蓋骨と強固な固定が得られまでに3ヶ月を要します。当院では最低3ヶ月はチタンスクリューで固定します。基本的にこのままですが、希望があれば6ヶ月以降に除去することも可能です。
- 内視鏡下前額リフトは、内視鏡の専門トレーニングを積んだ医師のみによって行われる難易度の高い手術です。欧米では一般的な手術ですが、国内でこの設備・技術を備えているクリニックは殆どありません。当院では、内視鏡リフトの第一人者であるDr.Ramirezから直接指導を受けた医師が手術を行っています。
- 個人差はありますが、1~2週間で大きな腫れは落ち着きます。